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概要

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第7回佳作(P.170以下)。これらの指摘には、やや極端なように感じられる節もあるが、問題の複雑さの一端は窺知することができる。だがこの杷豪を打破するように武者小路教授は、同書において前言に続けて、「ヨーロッパ的なもの、あるいは、工業化や大量生産技術というものといっしょに出てきた機能主義とか、そういうものを全面否定して、それで再び伝統社会のライフスタイルというものに帰るということは、もうできない.つまり昔に戻るのではなくて、新しい形で、昔あっつまり教授の「新しい形での再構成」こそ、私か唱えるシビル・ミニマムの作成であり、真に民主主義的に人権尊重の立場に立つ国連の使命であり、その実態把握の作業こそ国連大学の役割であろう。もとよりこれには、膨大な資金が要請される。それには特に先進国が新しい生活様式をとり、前述の国民経済の空洞化部分や、平和の配当によって生じるカネ・モノ・ヒト・チエなどを活用することは十分に可能である。さらにそれに付随して、汚職や腐敗に走りがちな援助資金を見直すことも改めて姐上にのぼるほか、地球環境の保護にも一役かうのではなかろうか。5結論にかえて一日本を考える以上みてきたように、冷戦後欧州はもちろん世界に新しい時代が始まってきた気配は濃厚であるoLかし古い秩序は崩壊しても、新しい秩序は模索の過程であり、ほとんどの国が新しい外交スタンスが固まらず、平和-の道を徹底的に探る新思考も生まれていない。むしろ湾岸危機が象徴するように、激動そのものが今日的状況である0さなかこの最中にあって、国連が憲章の目的を果たすための選択肢は多岐に分れるのも当然であろう。しかし私は、しばしば述べたように、国連の政策的な在り方は、過去の実例にもみるように、軍事紛争の調停より、地球上の格差是正、いわば南北問題-の対応と言え907