ブックタイトルsatoh

ページ
896/1034

このページは satoh の電子ブックに掲載されている896ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

satoh

それよりも、国連の主要目的である国際の平和及び安全を維持すること,国連大学は国際連合憲章の目的を追求し原則を促進するための機能を果たすことを重視し、この関連をどのような形でとらえるかについて、市井の-庶民の念頭にある一つの長期ビジョンを描くことは必ずしも無意味とは思われない。S.雄大な構想だが、もっと具体的に。P.私の記憶では、16・17世紀の宗教戦争当時に、永久平和論が唱えられてから現在まで、時代に応じてさまざまな内容の変化を経て辿りつVlた世界連邦的発想を改めて考えてみる必要を感じる。もとよりそこには議論の余地も多いうえ、一挙にそこまで至るのは無理であることは十分心得ている。しかしこの問題はしばらく横においたうえで重視したいのは、地球上に平和をもたらすさまざまな施策や努力のなかで最優先するべきものは、まず飢えと貧困を除去したうえ、経済格差の縮小を図ることである。この十年前からの私の考えは、ポスト冷戦時代に入った今日、ますます重要になってきたといえる。この点に照準をあてるとき、具体的施策として念頭に浮ぶのば70年代頃から提唱されはじめた「地球的シビル・ミニマム」の再検討である。S.ちょっと待って。世界連邦構想と国連との関連は肯けるとしても、突然、地球的・シビルミニマムの問題が飛び出してくるのは?P.話がやや横道にそれるが、たしか'90・12・8の『朝日新聞』で読んだと思うが、国連のデクエヤル事務総長が「従来の国連の活動は、制服(武官)の仕事が多かったが、これからは、文民の仕事を増やすべきだ」と述べている。そういう意味では、非軍事、非武装、文民による活動を目指すのが、国連の今後の重大な針路と思われる。もっともこの発言は、此度の沿岸危機に対する日本の貢献策についての話であるが、大勢がその方向に動いていることは確かだ。序でながらいま湾岸危機の話がでたが、これは冷戦終結後の外交スタンスが世界にまだ確立されていないとき、このような大きな変化が生じる時期につきものの一種の逆流現象894