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概要

satoh

第7回佳作定義として「開発をめぐって起こる南北問題の底辺にある構造的暴力」を重視する結果、'70年代頃から唱えられた地球的シビル・ミニマムの確立を、国際的に中立的である国連に求め、国連大学がその膨大なネットワークを活用して調査、策定に当たることを提唱する。これには莫大な資金が要るが、豊かな国々の街示的浪費部分や、平和の配当によるカネ・モノ・ヒト・チエを活用すれば十分賄えよう。ここに地球上数億の飢えと貧困に苦しむ人々に活力を与え、その労働力を動員して経済的自立に向かうことで、最貧国に民主主義と人権尊重が芽生える共同社会が育成されることこそ平和-の一里塚であるOというのも、此度の湾岸危機も、緊張緩和に目を奪われ、南北問題が軽視されがちであったところに大きい原因があったように思われるからである。あえて言えば、法は上部構造であって、社会こそ下部構造であることを銘記すべきであると思う。ちなみに、国連大学の本部が所在する日本など、さまざまな批判はあるにせよ、その体質からみて、シビル・ミニマム策定のモデルとしてとりあえずとり上げることも一考に値するのではなかろうか。日本が、簡示的浪費を切り捨てた新しい生活様式で生じる物的、人的資源をこの作業に投じることこそ、平和主義の大国日本の国際的貢献と言いえよう。889