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概要

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「いま、国連・国連大学に求めるもの」一地球的シビル・ミニマムを-河合圭二郎要約ポスト冷戦の現在、激動する国際情勢を前に、世界には未だ新しい外交スタンス、国際政治システムが確立していない。このような緊張緩和時には、湾岸危機にみられるように、主として第三世界の諸地域に紛争がおこるという逆流現象が発生しがちである。このような情勢をふまえ、世界各国は、国連をキーワードに、世界の平和と安全維持を希求することは、湾岸危機において常任理事国に拒否権の行使が無かったという未曾有の歴史的現実からも窺える。もとより国連の今後のあり方、それに付随する国連大学の役割には幾多の選択肢があろう。ただ私は、憲章の見直しなど法理論からでなくむしろ社会哲学的な長期ビジョンを確立することが重要と思う。というのは、法が社会をつくるのではなくて、社会があってはじめて法があると考えるからである。改めて言うまでもなく、国連の主要目的は、国際の平和及び安全を維持することであり、国連大学は国連憲章の目的を追求し原則を促進するための機能を果たすことである以上、平和-の道を追求することが大前提である。かねてから平和維持のためには、世界主義を標傍する世界連邦構想があるが、各国に主権が厳存している現状では、理想論として退けられがちであるが、このやや古典的な思考の中に依然、問題の核心があると思われる。もともと多岐にわたる平和の概念の中で私は、ヨノ、ン・ガルドラング氏のいう平和の再888