ブックタイトルsatoh

ページ
83/1034

このページは satoh の電子ブックに掲載されている83ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

satoh

第1回佳作「開発教育の再構成をめざして」一人間と社会の開発のために-渡辺頼純序、なぜ今開発教育か今日の国際社会の在り方を特徴づけることばとして「相互依存」というのがある。従来の米ソ二超大国を*心とした双極構造が崩れて、政治的には冷戦体制からデタント-推移し、これに伴って各国間の経済的利害の調整がそれぞれの政府にとっての主要課題となってきた。まさに国家間の錯綜する経済関係が以前にまして政治的問題として重要な意義をもつに至り、これがいわゆる「経済の政治化」と言われる所以である。この現象は「デタントの危機」とまで騒がれたアフガニスタン-のソビエト連邦の侵攻をもってしても覆されることなく、国家間の相互依存性の度合いはむしろ高まりつつあると言えよう。この相互依存的な国際社会を現出せしめたのは米ソ二超大国の相対的な力の低下だけではなく、それは今世紀最大の特徴とも言える発展途上国の台頭であった。先進工業国にとって資源とエネルギーの供給源である途上国がその先進国に対し、自らの権利を自覚し、その正当な要求を主張するようになったということは人類史上かつてなかったことであり、ここに大きな意義を見出さざるを得ない。このような動きは一連の国連貿易開発会議(UNCTAD)での討議・諸活動を経て、従来の支配と従属の垂直的関係を「相互依存」と呼ぶ先進国型思考に対して、各国の自立を基礎とした水平型の「相互依存」関係を構築しようとする方向に向かってゆくことになる。かくして、現在問われていることがこのような新しい展望に立った新しい国際秩序であり、いわゆる「新国際経済秩序」(NIEO)もそのひとつである。さて、今世紀も80年代にいよいよ入り、「匡l連開発の10年」も三度目を迎えようとして81