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概要

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第7回最優秀賞画両面で国連大学の活動の支援を行っている。国連大学が積極的な活動を行う上で、その財政的基盤を強化する一つの有力な方法として企業からの財政援助を得ることがあることは言うまでもないであろう。しかし、さらに進んで企業の持つ人材や、情報収拾能力を積極的に活用することも考えてよいのではないか。世界最大の穀物商社であるカーギル社の本部には、一日1万件を超える情報が世界中から寄せられていると言われるO穀物の作柄の把握については、カーギル社を始めとする穀物メジャーが、他の追随を許さぬ能力を持っている。一般に世界各地の一次産品の生産能力や、天然資源の埋蔵量などについては、当該分野の民間企業が質・量ともに最大の情報を持っていることは常識と言ってよい。従来,アカデミックな研究者が得ていた情報の賓・量は民間企業のそれにはるかに劣るものであることが多かった。例えば熱帯雨林の伐採、その後の木材加工、流通経路についての情報の少なさが、熱帯雨林の開発からの保護の研究を非常に困難にしていることは明らかである。企業の持つ情報は、本来国連大学の研究活動において死活的に重要なものである。国連大学は、「企業機密」の壁を乗り越えて、民間企業から必要な情報の提供を受ける方法を検討すべきである。例えば、企業からの研修生を受け入れる、といった間接的な形で情報を手に入れることも考えられるだろう。また、国連大学と提携して情報や人材を提供する企業に、様々な便宜を提供して、「準NGO」とでも言うべき地位を与えることも考えてよいのではないか。以上、国連大学の「超『国連』的活動」について提案した。国連の専門機関の行う政治的活動はやはりその政治性故に多くの現実的制約を受けることは仕方がない0-万、国連大学の活動は主にアカデミックなものである。アカデミックな分野の活動は、直接現実に働きかける政治的活動に比べてその作用が間接的である反面、現実からの制約はより少な801