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概要

satoh

第7回最優秀賞大いに期待したいと思う.とりわけ、日本に設置される最初の国連機関となった国連大学には、従来の国連の限界を超えた、真に活発な活動をしてほしいと思う。そして、できれば国連自体の改革の起爆材となって欲しいと思うのである。その意味で、私は国連大学に「超『国連』的活動」(「国連」の枠軽みを超えた、あるいは「国連」を外から見た活動)を期待するのである。私が考える国連大学の「『超』国連的活動」の内容は概ね次のようなものである.第一に、「国連」という組織自体を学問的に、客観的に研究することである。国連の一機関がその上部機関を「研究」するというのも変な話だが、要するに国連という組織を一つの国際機関として研究するのである。とりわけ、国連憲章のあり方については学問的検討を加えて欲しいと思う。「敵国条項」など時代の流れとともにそぐわなくなっている条項の問題、日・激の常任理事国化といった課題、創設が予定されながら未だに「特別協定」が結ばれないまま放置されている「国連軍」 (第43条)の問蓮など、多くの課題を抱えながら、国連憲章は改正することがほとんど出来ない状態になっている。この「機能不全」は、放置されれば今後の国連改革において大きな足かせとなるであろう。このような硬直化した状態が国連大学の「学問的研究」によって直ちに変化するとは思わない.しかし、いずれにせよ国連の組織体としての現状の分析は国連大学が取り上げるべき重要なテーマであると思う。国連大学は、この点において大いに「学問の自由」を享受すべきである。第二に、粗織として個人の創意、活力の活用をを図ることである。今世紀最大の物理学者アインシュタインの言葉に、「創造性は結局個人にしか宿れない」というものがある。従来の国際組織は、この単純な真理をともすれば忘れていたように思う。「学問には国境がない」と言われる。国連大学には、学者や政府関係者、企業関係者、799