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概要

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「今後の国際社会における国連大学の役割と日本」寅杉章「混迷の時代」と国連大学いま私たちが生きている今日の時代は、かつて人類が経験したことのない、多くの困難な問題を抱えており、解決の方途を模索しながら、なお有効な手だてもなく、先の見通しも立たない混迷のなかにあるように思われる。国際社会もまた混沌としており、平和や調和のとれた統一-向かうよりは、むしろ多極化構造をもつ複雑な対立の様相を呈している.その多極化する対立の構図は、主なものだけでも、イデオロギーと経済体制を異にする米ソを中心とした「東西問題」、開発途上国と先進諸国との間の格差と対立を中心とした「南北間顎」、先進諸国の間の経済摩擦などにもとづく「北北問題」、社会主義圏内部の抗争にもとづく「東東問題」、最貧諸国と新興工業国・石油産油国との間にみられる経済格差などをめぐって対立が発生している「南南問題」などがあるOそこに宗教的対立などもからまって、世界全体が、まさに「混迷の時代」という他はない。きわめて複雑な対立と摩擦のなかにある。思うに、いまから四十年前の一九四五年、国際連合(以下国連)が発足したのは、第二次世界大戦の直後で、それは、世界が二度と戦火に包まれるようなことがあってほならないという、人類の悲願にもとづくものであったはずだ。しかし、現実には、第二次世界大戦終結後も、今日まで地球上から戦火の絶えたことは一度もなく、戦争・紛争はこの四十年間だけでも百四十にのぼるという。7占8