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概要

satoh

第6回優秀賞ン能力も含めた異文化理解教育の有効なシステムを確立する仕事も、ある意味で国連大学に課せられていると言うことができよう。現在、異文化圏に在住する人間のカルチャー・ショックの問題が焦点となっているが、それを和らげるにはある程度の事前教育が必要である。上述の情報システムが確立された場合、そこには各国民の異文化に対する考え方が集積されているわけであるから、国連大学は価値信条体系をも含めた世界の各文化の実態を、最も正確に、かつ最も総合的に把握していることになる。したがって、その情報を正確に留学等を控えた人々に理解させるシステムの開発が国連大学に期待されるのである。そして、その開発に携わり、かつ開発途上国などでその実銭にあたる人材を選定L、研修を施す体制の拡充も、国連大学を中心として進められていけば理想であろう。また、実際に国際交流を実践している層だけでなく、たとえば明日の世界を担うべき子供達に対して、このような異文化理解の教育を推進することも急務であろう。特に、開発途上国の子供達に対しこのような教育をでき得る限り行なうことは、その子供達がより高次の欲求水準に支えられる端緒となり、数十年先を見越したその国の将来に、人材の点で明るい展望を与えることになろう。いずれにしても、異文化理解は地球全体の視野に立った問題解決を底辺から支える重要な領域であるにも関わらず、未だ未発達の学問領域なので、国連大学が中心的存在となって研究を推進していくことが切に望まれる。第3章「国連大学の発展と日本の果たすべき役割」次に、このような国連大学の今後の発展、ひいては全人類と地球の発展に各国家が果たすべき役割を検討する上でのモデルケースとして、筆者の属している日本が、いかなる貢献をなし得るのか、そして同時にいかなる貢献をしていかなければならないかについて考察していきたいO言うまでもなく、日本は先進工業国の中でも、脱工業社会-ときLかか737