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第2章「異文化理解の重要性と国連大学の果たすべき役割」先にも述べたように、今日のように国際交流が活発になってくると、異文化を理解する重要性がますます増大してきているという事実は否定できないであろう。国連大学は、地球的規模での差し迫った問題を解決する学術機関としてだけではなく、その底辺を支えるものとしての、個々人の国際協調精神を啓発する道を模索する学術機関としても、その発展が期待されるOその第一歩として、異文化間の理解の問題は、最も重要なテーマとなろう。言うまでもなく、異文化間には言語の相違、価値・信条体系の相違等、その長い歴史によって培われた埋めることの困難な相違が数多く存在している。したがって、これらを何らかの基準に統合するということは、到底不可能なことであるし、同時に望ましいことではない。ここで間柱となるのは、各々の文化に属する人間が、自分と異なる文化、人間に対して、誤ったステレオタイプ的イメージを持ち、それを基準に判断を下すということである。このようなステレオタイプ的イメージを脱して、いかにお互いが柏手を正確に理解するかということが、異文化間、ひいては国際協調の第一段階となろう.しかし現状を見ると、各国とも、異なる文化に関する正確な情報を、教育等の手段を通じて国民に伝達する努力を十分に払っているとは必ずしも言えない。ステレオタイプ的イメージの解消という点に関しては、直接接触の効果が従来論議されてきた。日本に於いては、直接接触によって対韓国イメージが好転しているという研究桔注3)果が報告されており、他にもこのような接触仮説を支持する研究は多い。しかし、このよ旺4)うな研究をレヴューしたAmirによれば、非好意的条件下ではステレオタイプ的イメージが助長されることもあり得るという指摘がなされており、国際交流が増大していく現実の中で、やはり事前の正確な知識の習得が鍵となってくるのである。その際教育が重要な役割を果たすであろうことは言うまでもないが、このようにして国際交流と相保ってイメージギャップを解消していくことは、国際社会のシステムとしての734注3)辻村明他、1982、『日本と韓国の文化摩擦』出光書店往4)九mir.Y.1969 「CoTltaCtHypothesisin ELhnicRelations」 PsychologicalBl)etin,vo).71,No_5,pp.319-342