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概要

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ており、情報の陳腐化が早まっているため、的確な判断には、より新しい情報をより早く、しかもより大量に収集する必要性が生じている。国連大学の情報収集力を飛躍的に強化することにより、世界の学者・研究者が持つ情報ベースや研究成果が、総合的視野から大きなデータベースとして統合されていくわけであるOたとえば平和と紛争の問題ひとつを取り上げてみても、単にひとつの領域から捉えても解決の端緒は得られるものではなく、文化人類学の知見からの人間の闘争本能の実態、紛争の歴史的事例、現今の政治的・経済的要因など、判断の根拠にすべき情報は魔大で、しかも複雑多岐にわたっている。しかし、正確な判断の根拠を得るため、国連大学はその蒐大な情報を、勿論各国の全面的協力を得ながら蓄積していく使命を担っている。近年はコンピューターの情報蓄積機能が驚異的に増大しているので、このような科学技術の発展と相侯ってこの努力は続けられることが望ましいであろう。次に、このデータベースをもとに、とりあえずは現代世界が最大の関心を持つ5つのテーマに沿ったプロジュクトの目的に合わせて、研究者がデータを自由に検索し得るようなシステムの作成を急ぐことも望まれよう。無論国連大学の協力機関をネットワークで結び、それ自体の最適化されたシステムを開発することによって、情報利用のスピードを含めた研究能力の強化を図っていくことが可能となるであろうOこのこととも関適して、国連大学の性質上問題解決学的、未来予測学的傾向に合致した情報収集とシステムの適切な運用の能力強化があらゆる部門で望まれることとなる。変化の急速性は、今後ますます未来予測の必要性を増大させるであろうが、この能力強化には各国のインターディシプリナリーな協力が不可欠であり、技術的手段についても各国の協力によって、最も先進のものが取り入れられるべきであろう。次に望まれるのは、プロジェクト研究の強化であろう。現在、国連大学独自の研究・研修センターや既存の研究機関との提携契約に基づいて、地球的規模での差し迫った問題についてその解決を模索する研究が続けられているが、国連大学に集められた豊富な情報を利用して、個々の研究者が自分の問題意識に基づいた研究計画を申請し、それが真にグロ732