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概要

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のようなインパクトを緩和する受け皿が十分であるとは言い難く、この社会のレベルでの国際交流の増大と、個人のレベルでの意識のギャップが、根底において地球的規模でのさまざまな問題の解決に髄齢をきたす場合があると思われる。すなわち、単に目に見える紛争という形で顕現するような、国家間の利害の対立にも関連した政治・経済摩擦を解消していくという、いわばノ、-ドの問題だけではなく、その底辺にあるソフトの問題ともいうべき文化摩擦の問題をも、人類の存続、発展に関わる緊急かつ世界的な問題としてクローズアップせざるを得ない状況が現出されているのである。無論、国際交流の活性化は、今述べたような意識のギャップから生ずる摩擦の問題のみを惹起するのでは決してない.このこととも関連して、情報が特に先進国から開発途上国-一方的に氾濫していくことにより、科学技術の発展の恩恵に必ずしも浴していない世界の人々の問題が、更に緊急性を帯びてくるであろう。また、世界全体の情報がより獲得しやすくなっている現状を考えるとき、限られた資源・食糧をグローバルな視点から適切に管理・開発していくことが容易となり、且つ必要性を増すであろうことは、言うまでもない。このような全人類の生存に関わる地球的規模の問題について国際連合、そして国連大学の果たすべき役割は、非常に大きいと言えよう。このように、高度情報化社会の中での国際交流の活性化という現実を考えてみたとき、多種多様な情報が適切な図式のもとに、円滑に利用されていくならば、それが地球全体の将来の発展に寄与するところは計り知れないほど大きいであろう。しかしながらその一方で、個人のレベルでの認識が不十分なまま、異なった文化圏や社会水準についての情報過多が進行してしまったとするならば、国家間の摩擦・紛争や、先進国と開発途上国のギャップから生ずる圧蝶の基底的な要因としてそれが機能してしまう危険性をも内包していると言わざるを得ないO科学技術の発展にともなって人類が等しくその恩恵を受け、結果として地球全体の発展がもたらされるのではなく、そのことによって却って国家間のギャップが広がり、国民間のギャップが広がっていくという事態は、大変不幸なことであると言わざるを得ないo728