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第6回優秀賞「今後の国際社会における国連大学の役割と日本」川上和久序論現代社会においては、科学技術が加速度的な勢L,で発展を続けている。そして、その現代社会に生きている我々人類は、この科学技術の発展によって、以前には全く考えられなかったような、さまざまな恩恵を与えられている。その数ある恩恵のうちのひとつは、通信・交通手段の飛躍的な進歩によって、物理的にも、そしてある意味で心理的にも国際間の距離が驚異的に短縮されたということであろう。たとえば、日本の東京からそのちょうど裏側にあたるブラジルのリオデジャネイロにいる友人に国際電話をかければ、瞬時にして会話を交わすことが可能だし、多くの先人達が、塗炭の苦しみを嘗めて切り拓いてきたシルクロードを経なくても、航空機を利用すればヨーロッパは東京から1日以内の距離にある。そして、このような通信・交通手段を利用することによって、さまざまな分野、そしてさまざまなレベルでの国際交流が活性化されているという現実は、否定できないであろう。しかしながら、このような国際交流の活性化が100%滞りなく進行し、ポジテイヴな将来に対する予測しか有り得ないとは言い切れない現実があることも、また一面の事実であろう。人的交流も含めた国際交流の活性化は、同時にその複雑・多様化をも意味している。生まれたときから同一の文化内での価値規範に従って育ってきた人間にとって、自分と異なる文化の中で育ってきた人間と交流するということは、単なる言語の相違という問題を超えたインパクトをもたらす。だが、現状を見ると、国際交流の活性化に比例したこ727