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概要

satoh

課題である。途上国の求めているのは自立のための協力である。押し付けの援助、憐れみからの行為は反発を煽るだけだろう。しかし、そのような援助でも意に反しても受けざるを得ないという現実もある.さらには、具体的な援助協力現場で、情況把握の不徹底から、せっかくの計画が実を結ばず莫大な浪費に終わるということも多い。最新鋭の機械を持ち込んでも、それに先行すべき教育等がなされていないために、全く役に立たず雨曝しとなっているなどという例も聞く。総じて国際協力というものほど"言うは易く行なうは難"いものはない。最近では、アフリカ飢餓救済キャンペーンにおいても、実効を上げることがいかに難しいかが立証された。国連大学の活動にも同様の困難が付き纏う。しかし、その困難を克服することが国連大学の使命である。従来の方式による行き詰まりを打開するために設けられた機関なのだから。国連大学はそのプログラム活動に際して、活動対象の現状の徹底的分析と問題点の解明を、地方、地域そして世界的なレベルにまで広げて行なう。そして、このような理論的根拠に基づいて現実に対処していく。学際性、国際性を重視し、地球の将来展望というグローバルな課題との関連付けを常に念頭に置いて研究を進める。つまり、国連大学は地球の将来に関わる活動を進める上での理論的支柱としての役割を担っているのである。従って、その理論は国連大学独自のプログラムの中で実践されるだけでなく、ODAその他の活動においても生かされることが望ましい。従来の援助協力活動-の助言、共同プロジェクトの実施等である。体制の違う国々の賛同と協力を得るには、国連大学の姿勢がより一層普遍性、中立性のあるものにならねばならない.それはまた、国連大学のネットワークの拡大によってなし遂げられていくものである。提携機関や協力機関を増やし、研究者の厚みを増す。各研究機関間の橋渡し役を務めると共に、グローバルな視点というものの啓発に努める。国連大学は単に途上国援助を行なう機関ではなく、例えば、その途上国の抱える問題が地球全体ではどのような位置を占めるのか、その解決は地球の将来に照らしてどのような方向で進めるべきなのかというところまで掘り下げる。だから、ネット占9占