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概要

satoh

第6回優秀掌るとすれば、私は、それが大きな誤りであることを指摘しないわけにはいかない。なぜなら、国連大学の研究対象はすべて、我々ひとりひとりの生活に影響を及ぼすものばかりだからだ.例えば、エネルギー問題、食糧問題の研究成果は直ちに我々の生活に変化をもたらすことになろう.貧困、飢餓問題もまた同様である。平和と紛争解決に関する研究にしても、その研究成果は現実の国際政治に有形無形の影響力を与えることが期待されているOもともと、国連大学は国家等政治的束縛から自由となった個人レベルでの研究機関なのであるから、研究者は、全人類の幸福を世界的な見地からのみ追求することが求められている。このような大局的な研究には、概して利害を異にする各方面からの圧力が加わりがちである。従って、研究者は自己の姿勢についての認識を常に明確にしていなければならない。と同時に、我々もまた、その研究内容を受動的に受け入れるだけでなく、それを監視L、助言し、さらには不当な圧迫から守っていく責任があるのではないだろうか。過去長い期間に亘って、少数の権力者のみにすべてが委ねられたために生じた不幸な歴史から得た教訓を無駄にすることは、もはや許されないOもう後がないからだO我々は無知であってはならない.国連大学が設立されたのはまさにその趣旨からであった。地球的見地に立った思考のみが地球を明日-と導くことができるOそして、地球的見地というのは、個人単位の連携によってのみ可能となるO我々は、この真理をしっかりと自覚せねばならない.さて、我々一般人の自覚を高め、国連大学と我々との連携を密にしていくために、国連大学はどのような施策をなせばよいのだろうか。一言で言えば、それは広報活動の強化である、と私は思う。現在、国連大学の広報活動は、学術情報局によるプログラム活動関係の学術出版物の刊行と、広報局による活動紹介のための出版物やビデオテープ等の制作とが主なものである。このうち、広報局の活動の強化と多様化を提言したい。広報局の一般人向けの活動には『UNUニューズレター』、『国連大学通信』等定期刊行占93