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概要

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協力実施機関、ジェトロ(E]本貿易振興会)や他経済交流や友好促進のために働く協会、大学の地域研究家などとは連絡を密にし、常時かの国の情報が入手でき、かつ相談に乗って貨えるような人的コネクションを維持することも必要だろう。こうした環境で育つ青少年には、兄弟国のために何らかの形で働くことが、ごく自然に考えられるようになるだろう。学校や町内会のバザーでは、一隅にかの町や村の仲間のためにチャリティー販売コーナーが設けられることもあろうし、文化祭では誰言うとなくカンパの運動も出てくるかもしれない。そうした発意が気軽に生徒から出てくるようになれば、わが町村の国際理解と国際協力は、十分に青少年を育てる舞台づくりを果たしたことになる。国際理解だ、国際協力だと教師が壇上で多言を費やすより、実際の姿でその何たるかを示し、青少年の心に播かれた種子が大きくふくらむのを待つのである。自らの発意で生まれたものは、自らが考え大事に育てようとする。一時は外見上消えて見えなくなることはあっても、精神の成長とともに、いつかはもっと中味豊かに復活するものである。むすぴ一国民参加の国際協力の中から育つ青少年わが国の貿易・投資は増え続け、海外との経済交流の広がりと厚みは眼を見張る程である。また海外旅行に出かける人の数も、うなぎ登りである。世界およそどこへ行っても,日本人の駐在員か観光客に出くわすのが普通だ。経済活動の広がりや旅行者の増大は、日本の国際化を表わし、国際理解を促進するのに役立つだろう。しかし、-方では時としてその性急でパワフルな活動ぶりが、反感を買うことも事実である。外国人の眼に映る日本人は、才気映発のセールスマンか金持ちの観光客だけになってしまったら悲しいことである。そして、あとは街に握れるピカビカの日本製晶だけが、日本との係わり合いということになれば、親しみをもとうにもそのすべがないというものだ。経済の原理はやはり苛酷な一面を持っている。このままわが国が海外との経済活動を拡大してゆけば、わが国は諸外国と心の通わないおつき合いしかできなくなるのではないかと思われてならない。この占58