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概要

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第5回佳作なろう。わが国ではまだ世界の各地域研究の体制は不十分であるが、地域社会が町村ぐるみで国際協力-踏み出すことによって、地域の大学もかの国の実態に即した地域研究を展開することができよう。またそれが地域の大学に際立った特色を添えることにもなろう。こうした様々な地域研究を積み重ねた大学が全国に続出すれば、わが国の国際理解の厚みも増し、国際協力の基盤も優れて充実したものとなろう。地域社会による国際協力を進める際に、尻込みされる理由をあげるとすれば、そのひとつに言葉の問題がある。一般に日本人は外国語が苦手のようであるが、やはり言葉はその国の文化の象徴であるから、かの国の言葉を習うように心がけたいO習うということは、必ずしも流暢に喋るレベルまでということではないoラジオ放送でやるのもよし、近隣にいる昔の駐在経験者を招いて習うのもよし、カセットテープで共同学習するのもよい.要はかの国の言葉と馴染みになる時間を作ることなのである。かの国の人と話す機会があれば、文法を棚に上げて単語を並べたてるだけでも、なんとかこちらの意は通じるものである。言葉は度胸と誠意と割り切って考えた方がよい。町村ぐるみで語学学習意欲を高めようと思えば、かの国の歌集を作ってカラオケもどきの「原語で歌う会」を適宜催すなど、楽しみながら外国語に接する機会を多く設けることである。町ぐるみの語学勉強といえそのきそとめば、長崎県西彼杵郡の外海町などはその先輩格である。明治初期、同町を中心に宣教のみならず、パン焼きや機織りなどを広め、ドロ様として慕われたドロ神父が、フランスのブルターニュ出身であったので、それに因んで外海町はドロ神父出身の農村と姉妹関係を結んだ。だがやはり言葉ができないと話も通じないと、それこそ町ぐるみでフランス語の勉強を始め、今や外海町の青年を語学の習得に、かのブルターニュの村に派遣するまでになっている。外海町のみならず、他に外国の町村とユニークな交流を続けている町村もあろう。そうした町村の経験を交換し合うのも興味深い。殊に同じ国の他の町村と協力関係をもつ、同輩の町村とは積極的に意見交換の場を作るべきである。その他アジア経済研究所などの地域研究機関やJICA (国際協力事業団)、OECF (海外経済協力基金)などの技術・経済占57