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概要

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することなく、常に背後の「わが町・村」の応援を求めることができる。わが町村には多士済々に、学者先生もいれば昔の鋳かけ屋さん、木工所や鉄=所、かん詰工場やら製靴工場等おそらく豊富なメニューを揃えて相談に乗れよう。それに地域社会に工業高校や大学、職業訓練校や農事試験場でもあれば、まずはひと通りの相談には困らないであろう。地域社会が国際協力に乗り出した時の強味は、背後ですぐ加勢できるこのバラエティに富んだ陣容にある。それに加えて、派遣者は現地の問題を考える時に「これは何丁目のα二)工場の専務のお得意だ」とピンと来るのも地域社会の国際協力ならではである。そのため、問い合わせも的確にでき、-ネ返ってくる回答も的を射たものになる。回答をする方も自然と「わが町村の派遣者を助けてやろう」という温みのあるアドバイスとなるに違いない。おそらくは、わが町村から、かの町村-人が送られるのはかなり先のことになろう。その前にわが町村でしっかりした基盤づくりを固めなければならない。意図表明が受入れられれば、やはりかの町村-の親善訪問となろう。親善とはいうものの任務は重い。膝つき合わせた懇談を重ね、かの町や村の暮らしを帰国報告しなければいけない。かの町や村では、話が大きく伝わって、多額の寄付をすぐに期待するところも出ようL、日本の買付けを期待する工場も出よう。とにかくお互いが初めてなだけに、各所で思い違いも出てこよう。かの町村の期待の大きさに、訪問団は呆然とするかもしれない。かくてわが町わが村の国際協力は、先方の大きな期待に我方の小さな不安を乗せ、とにかく船出をするのである。わが町わが村あげての国際協力-の雰囲気づくりは、この訪問団の帰国報告が重要な役割を果たすことになる。PTAの会合や町村の寄り合い、学校の生徒-の講演会などあらゆる機会をとらえて、現地のスライドを映写しながらの報告会は臨場感溢れたものになろうO町村の広報誌や商工会議所の機関紙等は報告記事が連載される.同じ話でも、単に書物で読むのと、実際に体験した人の話を聞くのとでは、やはり感動の伝わり方が違う。現場の証人とL.て語る迫力が話に加わるからである。そこで語られるのは、おそらく学齢期852