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概要

satoh

言語慣習の異なった生徒にも、同じ教育効果を上げられるような教材が開発されるべきである。私は、ユネスコや、日本の国際協力事業団、国際交流基金が所蔵しているフイルム等を、いくつか見たことがある。それらは、この地球上に生きる者全てに共通する問題-の関心をひき出す上で、大変有効な教材となりうるのではないだろうかと思われた.今日では、テクノロジーの進歩に伴い、マスメディアもめざましい発達を遂げている。たとえば、オリンピックの模様が、衛星中継によって全世界で同時に放映され、世界中の人々が同じ画像を見ながら一喜一憂することも可能となりつつある。さらにCATVなどのニューメディアや、パーソナルコンピューター等コンピューターの開発及び普及は、今後、教育の場においても進むであろう。教材や授業形式もそれに伴い、多様化するに違いない。全世界共通の目的一平和の実現-のために効果的な教材が、世界各国で利用されるようになれば、共通の意識、連帯感を育てることも容易となろう。高度な技術力と豊かな経済力を持つET本にとって、このような教材を開発することはそれほど困難ではない。独自の教材の開発に、充分な予算をあてる余力のない貧しい開発途上国に対しては、非常に有意義な協力ともなろう。最後に、提案の第3番目として、教育が、国際社会-の参加意識、さらには、歴史創造-の参加意識を高めるような方向で、行われるべきだということを述べたい.あらゆる人間は、集団、社会、あるいは、共同体(Community)と呼ばれるものに何らかの形で帰属して生きている。しかも、大抵の場合、 1人の人間は、多くの集団ないし社会に同時に関係している。個人と国家の関係もその1つである。自立した、自由な主体であるべき個々の人間が、人類の平和という共通の関心に従い,今、自分に何ができるか、どのように生きていくかを模索しながら、自分の属する集団、社会の内外で連帯し、自己の生存の証を見出していくこと、それは、その人個人にとっても、社会にとっても前進をもたらすであろう。544