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概要

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第3章-3つの提案-教育はいかにあるべきか第5回優秀賞これまで述べてきたことをふまえながら、今後の教育がどうあるべきかを、ここで考察したい。大まかにまとめると教育に望むことは以下の3点に絞られる0まず第1は、文化の継承、すなわち、自分をとりまく文化を理解させ、その担い手を育てていくという役割である。何よりも、自己の囲って立つ文化を充分に且嘱、吸収し、理解していることが自己のアイデンティティ(同一性:自分と同価値、又は同目標をもっている人々と自らを同一視し、1)歴史における自己の在存証明を求めること)の確立において大切なのではないだろうか。相互理解の欠如が、究極的には、戦争や紛争の勃発につながり、平和を阻む最大の要因となっているという見地に立つならば、相手を理解すると同時に、相手に自分を理解させることを重視しなければならない。相手に自分を理解させるためには、まず自分が何者であるか、自分がどんな社会の中で、どのような文化の恩恵を受けながら生きているのか、すなわち、自己の文化的背景を、正しく把握しておく必要があろう。もちろん、自分をとりまく文化-の理解がなければ、相手の文化を理解することも困難である。なお、一言付け加えるならば、文化の概念を定義することは難しいが、私は、ここで文化という言葉を1つの社会の中で受け継がれてきた考え方、行動パターンの総体を表わす言葉として使っているつもりである。さて、年少者に文化を伝達L、理解させることによって、1つの社会は、その存続を可能にする。この伝達には、コミュニケーションが不可欠である。デューイは、共通理解-の参加を確実なものにしてくれるコミュニケーションが教育においていかに重要であるか2)を説いている。繰り返すようだが、外国を、異文化を学ぶことが大切である。自らの文化を伝達することが教育の役割であり、その伝達はコミュニケーションによって行われる。他方、外国、注1)馬場伸也,前掲書,268ぺ- .i注2) Dewey,前掲書.36ページ541