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概要

satoh

第5回優秀苦る。知識の詰めこみは、競争や摩擦を助長し、自然に対する愛、他の人間や動物に対する思いやりといった人間性の発達を阻害する。現代社会は、人間の人間との関係、地域と地域の関係、企業間、国家間のいずれの関係をとってみても、競争や摩擦で満ち満ちてはいないか。ここにも、今日の教育荒廃問題の背景の一端が表われている。デューイ(John・Dewey,1859-1952)は、今から70年も前に、既に、学校教育が社会的必要性を無視して生活経験の主題から離れ、言語記号による知識の伝達に陥ることに、4)警鐘を鳴らしているO彼の批判は、今日なお少しも色あせていない。それどころか,一層の真剣さをもって受けとられるべき重みを持っている。デューイは、その著書『民主主義と教育』(1916年)において、学校教育が陥りやすい危険について述べているが、それはそのまま今日にもあてはまる。「社会が複雑化するにつれて、制度的、または、意図的な教授と学習の必要性は増してくる。制度的な教授と訓練の範囲が次第に増すにつれ、より直接的な社会関係の中で得られる経験と学校で習得される経験の間に望ましくない分裂が生ずる危険がある。5)この危険が大きいことはかつてはなかった。」今日ほど第3節参加・連帯意識の未定着第2次世界大戦後、国際社会は,その構造を大きく変革させた。すなわち、長い間、植民地として抑圧されてきたアジア・アフリカの多くの国々が、その政治的独立を遂げ、自らの芋による国づくりを始めた.そして、先進国中心の、世界の経済・社会・政治・情報等のシムテムの不平等を是正し、現状の変革を主張するようになった060年代には、米・ソ2大超大国のいずれのブロックにも属さず、自主路線を掲げる国々が、非同盟諸国として結束し、新たな模索を始めた。また一方、様々な地域統合組織が登場し、域内の経済・社会の安定、発展のために、地域の特性に合った緊密な協力を行うと同時に、文化や人物の交流等にも力を入れるようになった。たとえば、EC諸国、ASEAN諸国などは、めざ往4) JohnDewey,金丸弘幸訳,『民主主義と教育』玉川大学出版瓢1984注5)同上書,42ページ539