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概要

satoh

第5回優秀賞にもまして高い教育的効果を発揮するであろう。第2節受験一辺倒教育の弊害ここでは、少し教育内容に立ち入りながら考察を進めることにしたい。今日の教育が、あまりに受験一辺倒に偏り、それが様々な弊害をもたらしてきたことは、既に多くの識者が指摘するところである。私自身、昭和54年の第1回共通一次試験を体験し、教育のゆがみを、まさに身をもって経験した者の一人である。昭和54年は、「共通一次元年」とマスコミによって名付けられ、入試の成行きは、多くの人々の関心を集めた。教育現場にいる教師たちは、対応に右往左往しつつ、必要以上に受験指導に傾注した.私個人の考えでは,共通一次試験制度の導入は、教育のゆがみを是正する上で、何ら効果を上げることができなかったと思われる。むしろ、2つの意味で、教育の現状は、一層改悪の方向-進んだと言えないだろうか.第1には、共通二次試験での解答に適した、言い換えれば、より高得点が可能になるような授業が多く行われるようになったことである。独創性のあるアイデア、意見等は、むしろ得点につながらない.5つの選択肢のいずれかに、自分の主張を多少曲げてでも近づけなければ、解答はできないのである。自分が関心を持ったテーマを奥深く掘り下げ、じっくり長期間取り組むなどということは、今日の高校教育においては、性とんど不可能に近い。進学校である、なしにかかわらず、生徒たちは、当抵消化しきれない量の学習内容の山に埋もれ、窒息Lそうになっている。このような状況においては、各々の問題意識を育むことは、とても困難である。まLて、実際に、各自の問題意識に従って、社会活動-たとえば、自然保護運動、各種福祉ボランティア、地域美化運動一等に、教育プログラムの一貫として「参加」できるような態537