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概要

satoh

文化の伝播を行わないという極めて偏った国際交流を従来行っていたことに起因する面が大きいと思われてならない。先に記したように、今後この片寄った国際交流が是正されれば、日本人のバランスある国際感覚の進展に多く寄与するのみならず、国際摩擦がなおも継続すると考えられる将来において、国家レベルでもプラス要因となることは疑いないものと考える。おわUに私はこの小稿の初めに、我々が今後どのように社会を誘導していくかにより、情報化社会の未来像及びその評価は変わると記した。そして今後の情報化社会における日本の課題を国内システム的に見れば、第1に分権システム、第2に新しい行動主体の確立であることを確認し、次いで社会レベル(教育、都市、労働)及び個人レベルでその望ましい方向を検討した。その結果、なお課題は多いが、新しい社会を育む芽は随所に見られ、情報化をうまく利用し我々が社会を誘導すれば、今後の脱工業化社会に対応し、かつ将来にわたり活力を維持できる社会システム作りが可能であると私は考えたい。一方国際面に目を広げれば、我が国は先進経済国として国際交流を進めるとともに、南北問題-努力を傾注するなど国際的責務を果たすことが要請されており、情報化はそれを可能にする要素であると考えた。この小稿を書き終えるに当たって私の頭を想起するのはケネディ元アメリカ大統領の次の言葉であるo「国家が諸君に何を為すかを考える前に、諸君が国家に何を貢献できるかを考えたまえ」。コンピューターの普及とともに、人間が機械を利用しようとすればするほど、逆に人間が機械に制御される可能性が強まると言える。しかし、人間は常に客体に積極的に働きかけることにより現在の地位を獲得してきたの518