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概要

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第4回佳作齢のみに基づいて一律に給与カットや定年制実施を行わずに、高齢者の個々の技術や能力を十分評価したきめ細かな労務管理が今後望まれよう。また、大都市圏内部での機能分散により、職住近接が強まれば、現在のような過酷な通勤によるエネルギーの消耗を防ぎ、仕事に対して現在以上にエネルギーを投下できると予想される.更に、情報化社会の進展に伴い普及が予想される家庭労働は、むしろ老人にこそ適した労働形態であると考えたい。特に労働が単なる報酬により自己充足の手段-と変わりつつあること、又人々の地域社会-の関七・が増大していることから判断すれば、高齢者をボランティア等として今後地域における社会福祉活動に参加させることが必要となると思われる05情報化社会における人間(1)以上、教育、都市、労働について概観Lたが、いずれにおいても今後重要視されるのは、個人、分権、多様という要素であるoこれまでの日本が、集団、集権、画一という方向で成長を成し遂げてきたのとは明らかに逆の方向である。ところで、私は先に今後の日本の課題として、地方分権システムと個人意識に目覚めた行動主体の確立を提唱した。その内前者については都市の項でふれた。後者についても教育、労働の項で若干ふれたが、特に今後コンピューターの発展とともに問題になるのは「人間が機械を制御できるか」という命題である。この一線を守らなければ、情報化社会の進展は人類の破壊をもたらすおれそがあると言っても過言ではない。そこで次に.情報化社会における人間について論じたい.(2)情報化社会における行動主体としての個人は、常に社会との開かれたフィードバックシステムの中で実現される自己像を言うべきである。社会学者の新睦人民によれば、(1)自己制御能力を持ち、(2)自らの主体的な参加により、(3)白己の求める精神的な価値を実現する個人であると具体に定義される。513