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概要

satoh

第4回佳作人レベルでの目標が多様化しているが、それ以上に重要なのは国家レベルでの目標である。米ソのような覇権主義は不可能である(また好ましくない)以上,日本は今後グローバルな立場に立って、世界の共通課題(例えばェネルギー、都市間題、南北問題、環境問題など)に挑戦すべきであるO中でも私は南北問題の解決に力を注ぐべきであると考えたい。その理由は2つある。第1は、日本が西欧以外で近代化を成遂げた唯一の国であり、しかも先進国の文化を、積極的に取り入れることにより近代化を行ったのであるから、南北世界の橋渡しを行いうる立場にあるからである。第2は、経済的に余力があるのみならず、日本は現在科学技術の応用面で世界でもトップレベ}t/にあるが、後述するように特に情報技術の援助により、開発途上国の近代化に貢献しうると考えられるからである。ところで、このような国家レベルの目標とは別に(ただし内容的にはオーバーラ・yプするが)国民レベルでの目標が必要であり、私はそれを文化の発展と考えたい。従来は経済発展の目標は経済自体であるとする考え方が強かったが、今後は経済・文化分離主義の立場に立ち、経済発展の目標を.国民レベルでの文化の発展ととらえたいわけである。そして、文化を海外にも伝播させ(その一例が情報化による開発途上国の近代化である)、従来の一方的な商品輸出主義から、双方の利に適う文化交流主義-と転換させることが必要となる.勿論文化交流主義は文化を製品の一種として一方的に輸出する考え方とは明確に一線を画すべきものであり、先進国に対しては対等(日本の理解を深める目的を第一とする)、開発途上国に対しては近代化を封助しうる性質のものととらえたい.ところで、このような目標に向かって日本が進みうるかが、今後の日本の発展を図る試金石となると思われるが、問題はその方法である。近代における日本の変革は、いずれも外からのインパクトを契機にしたものであったo503