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概要

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だ構築されていない現状の下で、果たしてその評価を正しく行えるのであろうか。このように考えてくれば、その評価はいずれも極論すぎるとともに、机上の議論にすぎぬのではないかと言わざるをえない。むしろ、工業化社会の道が各国で異なっていたように、情報化社会の進行も各国の歴史的段階や文化により異なるはずであり、又異ならせなければならぬ。情報化社会の歩みが一棟でなく、地域の歴史や文化により異なる以上、我々自身の誘導によりその方向で変わると考えるべきであろうOしてみれば、情報化社会の将来評価を、今の時点で一般論として行うことは不可能であると言わざるをえない。このような考え方に立てば、受け身、必然的な視座から情報化が今後の社会に与える影響を総花的に議論するのではなく、情報化により我々が今後日本の社会をどのように変えていくかという能動的な立場に立ち、各論的な検討を積み重ね、今後の社会像を浮かび上らせるアプローチが必要となる。その為には、現在の社会の課題をまず把握し、今後情報化社会においてそれをどのような方向で克服させるかについて、抽象レベルではなく具体レベルの検討を行うべきである。次にその検討に移りたいと思う。1今後の日本の課題1960年代の高度成長を経て西欧先進国の水準に追いついた日本の経済は、1970年代のオイルショックを経て世界のトップレベルに達し、1980-90年代は日本の時代であるとの予想さえなされるに至っている。このように、現在の日本は欧米へのキャッチアップの段階を既に終えたと言われるが、それ故に経済至上主義に代わる新しい目標が必要となっている。価値観の多様化により個502