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概要

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第4回佳作「情報化社会における日本のあり方」木内俊一はじめに一休我々はどの位先の、そしてどの程度詳細に将来を予想することができるのであろうかO人間は元来予言することが好きな動物である。そして、予言においては人間は自発的な行動能力を失い、単なる歴史の客休として扱われることが多い。特に、社会が巨大化し、また変化の著しい現代において社会の変革に及ぼす人間の力は微々たるものにすぎないとする考え方が、一種の挫折感として我々白身に巣くっている。しかし、果たしてそうなのか。歴史はやはり我々自身が作りだすものであり、科学や技術が^間の存在を無視して世界を創造するものでは決してない。確かに今後21世紀にかけての社会の変化が大きいものであることは間違いなかろう。一般に社会変化の大きさにおいて、明治以降の10年間はそれ以前の100年間に相当すると言われるが、差詰め今後の1年間の変化は明治以降現在までの10年間に相当するものかもしれない。その変化の大きさは、情報やコミュニケーションの発達が科学技術はもとより、社会構造や社会意識に大きな影響を与え、工業化社会に代わる新しい社会を生み出しつつあることに由来するものである。この新しい世界を、我々は情報化社会と呼ぶことが多い。ところで、情報化社会の将来像は評価がバラ色と灰色にはっきり分かれる。しかしながら、ニューメディアを例にとっても、ニューメディア個々の技術開発は断片的には予想されても、ニューメディアにより我々の生活が相対的にどう変化するかのビジョンさえいま501