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概要

satoh

第4回佳作L、更に進んで、それに数倍する量の情報を、僅か-平方センチメ一日レという超小型の平板の中に閉じ込めるまでになった。撞く最近ある会社の発表によると、H紙よりも薄い電池"の開発に成功したと言い、また近頃の話題としては、第五世代のコンピューター、いわゆる考えるコンピューターまでがクローズアップしてくるという有様である。その他先端技術の開発発展は一々枚挙にいとまがないほどのすぼらしさであり、しかもそのテンポがこれまた驚くべき速さであって、昨日までの花形技術やメカが、一夜明けてみるともう時代遅れのしろものになっていたり、スクラップ同様の扱いをされても不思議でないという有様にまでなり、開発、発明、工夫、改善などの成果は、過去において十年の歳月を要したその時間を、僅か一年又は-か月という短時間で克服している。勿論それに至るまでの水面下での研費や努力、それに要した寅重な時間や物(金)を無視する訳ではないが、それにしても技術の進歩の速度は、もはや、日進月歩などと言うより、時々刻々と言うか、光陰の如しと言った方が相応しいまでになって来た。したがって、距離、時間、空間など、総合的な見地からして、これまでの世界的とか、地球的とかと言った視野や表現では、間にも拍子にも合わなくなり、一挙に宇宙的規模でしか物事が考えられないまでになって来た。だから、「情報並びにその伝達システム、及び全般的な科学技術の進歩の速度」を一つの尺度として、今世紀末までに残された十六年間を測ってみると、それは想像もつかない程の「長い時間」に当るはずである.さて一方、人間自身(人間本来の心の面)の進歩の速度の方は果してどうなっているであろうか?現在地球上で人間がかかわっているいろいろな現実の問題(主とLて争い)を、二千年以前から歩んで来たその足跡なり歴史と比較してみて「人類はこれだけの進歩を遂げた!」と、誰もが胸を張り、自信を以て言えるものを、人類は何ほども持ち合わせてはいないように思うのである。483