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概要

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4.文化的基盤への影響情報・コミュニケーション技術は、我々の文化に対して、その生産形態、流通形態、経時的な伝達形態、そしてその受容形態を介して、まず、影響を与える0ここでは、流通形態の基礎としてゐことばについて、生産の基盤としての知識について、そして、伝達の基礎としての教育について、それぞれ、今日の情報・コミュニケーション技術が与えつつある変容を論ずる。(rことばの変容:)情報の電子化は我々のコミュニケーション形態に新たな分野をつけ加えつつある.それの第一は人間と機械との大規模で大衆的なコミュニケーションという形態である。古来、コミュニケーションの形態は人と人との対話を基礎とするものであった。ところが、今日の情報技術は、大量の情報を背景にした機械-コンピュータと人間との間のコミュニケーションを開こうとしているのであるO情報技術の進展は、大量の情報の電子的蓄積、それの瞬時的検索を可能にしてきた。情報・知識の電子的蓄積が今後進行するに伴って、人は情報を得るために、刻々に変化する膨大な蓄積情報を背景とした電子機械群に対面することになるだろう。この機械群は、情報の蓄積、検索、操作に関して、我々人間をはるかに凌駕しようとしている。文章を書き、書物をあらわして知識を伝達している、文字をベースにする現代のコミュニケーション形態は、電子装置群との対話によって知識を電子化して、蓄積し、電子装置群との対話によって、それをひき出す形態-と大きく転換していくであろう。こうした、人間と知的機械とのコミュニケーションの増大は、これまで我々が使用してきた話しことば、書きことばに新しい人間-機械言語を付加することになるoすでに、自然科学者の世界では、FORTRANという人間一機械言語が一般化しようとしている。機械の側が、電子化された知識をより多く獲得し、より知的になるにつれて、人間一機械428