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概要

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を与えることになる｡誤情報の広範囲高速の伝達は､社会の大きな混乱をまねき､社会的進歩を大きく阻害する｡利用者にとって､多すぎる情報に対する情報圧縮､要約の必要性もまた､情報品質の向上の要請となる｡社会的な高品質情報･知識の生産能力は､社会的発展を左右する大きな要因でもある｡情報･知識の生産に関しては､｢KJ法｣等の集団思考方式の研究開発や､｢知的生産の技術｣に表現される情報･知識生産の方法論の研究､さらには､我が国で進展しつつある推論能力を持ったコンピュータ(第五世代コンピュータ)の開発研究など､新たな方向が打ちだされつつある｡他方､情報晶質に関しては､商品情報､株価情報等の-般流通情報に対する多重で異なる見地からのチェック技術･制度の開発や､テレビ番組に対する双方向テレビを用いた､視聴者意見の即時収集など､フィードバックの強化による番組品質の向上がはかられることになるだろう｡また､米国のいくつかの新聞にみられるオンブズマン制度の導入は､マスコミの流す情報の晶質を一定の水準に保つ効果をもつだろうO行政情報は､住民情報と個人のプライバシーとの困難な関係の下で情報品質の水準の確保が必要である｡この様に､明日の情報･コミュニケーション技術の一つの課題は､整備されつつある高品位情報蓄積流通網の下で､いかにして､高品質の情報を生産し､供給するかにある｡ところで､最近､｢株式情報の読み方｣､｢経済記事の読み方｣等々の情報の利用法についての書物をよくみかける｡情報ほど､使い方によって､価値のかわるものはない｡書物は枕にもなり､自動車は物置としても使えよう｡しかし､｢情報｣はその本来の使い方を知らなければ､あるだけ邪魔になる雑音でしかない.マスコミなどで､しばしば､｢情報洪水｣とか｢情報爆発｣等の我々が受け取る情報の量の飛躍的増大を表現することばが使われる｡実際に､政府統計によれば､我が国の情報産出量は､1970年からの5年間で7割の増加を示している｡この顕著な増大の中で､必要な情報を選りわけ､それを活用していくためには､高度の情報能力を必要とする｡424