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概要

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第4回優秀賞「コミュニケーション技術の役割」一共感を杵とした人間関係の建設-島津尚志要約私達の住む産業社会は、物資を作り出すこと、流通させることで一つの体系を作り上げている。この体系の枠組の中ではある程度の物質的な豊かさを享受することが可能となった。一方で、産業社会は種々の歪みを生み出した。エネルギー資源の澗渇、自然・生態系の破壊、核家族-の移行に伴う親子の群の希薄化等々。さらに産業社会体系の枠組から紘ずれている人達の基本的な生存の問題。毎日何人かが餓死してゆくという事実。これらの歪みは物一物、物一人との関係を重視し過ぎている私達の考え方を、人一人の関係に重点を移すことにより解決-の糸口がつかめるのではなかろうか。人間同士の対話にもとづくお互いの理解、そこから発生する共感を群とした人間関係の建設が、私達の採るべき行動である。産業社会は、その手段をも作り出しつつある。私達は年とともに増大しつつある自由時間を、人間同士の対話を通じて、共感という群を作り上げてゆくことに使う必要がある。それは地球上での生物の進化が、神経物質として最終的に人間の脳の中で最高度に発展してきたという事実を、次の段階-進めるための第一歩である。現在、その発展の度合を深めつつあるコミュニケーション技術、具体的には、日毎にその網の目を智にしつつある地球をつつむ電子ネットワークは、地球規模での人間同士の対話を可能にした。さらに現在開発が進められている自動翻訳機が実用化され、この電子ネットワークと結合される時、人間同士の対話はより深く直裁的なものとなり、共感を秤とした人間関係は現実的なもの395