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概要

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のが、今度は飢餓問題を積極的に世界に訴えかける姿勢が我々に求められるのである。こうして、現在の日本の繁栄と安定を築き上げたのは究極的には我々1人1人の地道な努力の賜であることを思えば、 1個人のなし得る業は、決して見過ごすことが出来ないことを悟るであろう。(対策(2)物的援助.協力日本の財政上の3 K赤字とよばれるものの中の1つである米が現在、余剰過多という状態にある.今年は、低温、日照不足という冷夏だったため、55年度作況指数(平年作-100とする)は、全国平均で94に落ち込んでいる、と農林水産省は発表している。それでもなお、洋風化し、手軽さを好む日本人の食生活にはあり余る程の生産量なのである。そのため、米の生産量の調整をすることによって政府は少しでも、過剰米を減らそうと躍起になっている.こうした意図から実施された水田再編対策(いわゆる減反)は、財政難の折ゆえ、背水の陣に迫られた苦肉の策ともいえる。だが、土地を遊ばせておくことは、土地を痩せさせることにもつながるし、食糧不足に悩む発展途上国の人々を思う時、これら政府のとった政策は、全くナンセンスと考えられる。この政策を直ちに廃止し、日本の余剰米を、現地にタンカー等による輸送方式で無償の供給を行うことが出来るはずである。なる程、食糧は戦略物資の1つであり、容易に他国に与えるこどが出来ないものである。ただ、同じ戦略物資といえども、米、中、ソなどの大国と違って軍事的影響もない日本が、飢餓にある国々に分け与える場合、果たして政治的利害関係のためであると考えられる恐れがあるだろうかOそれは、杷憂忙すぎないといえる.被援助国との友好関係を獲得できるという点では、確かに政治的目的があるといえるが、それ以外に何ら意図されたものがないことは一目瞭然である。さて資本援助では、日本は現在、飢餓救済のための援助には渋いし、援助のやり方も拙劣すぎるという印象を世界に与えている。今のところ、政府開発援助(ODA)はGNP比0.23%と世界第14位、国際目標の0.7%を大幅に下回っている。わずかながらの資本協力も、農業育成のための肥料、農薬、農機具などの輸出に30