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概要

satoh

第1回最優秀賞彼は、今日最も重要でかつ不可欠なものは、「情報」であると述べた。いまや、たとえ一日といえど、テレビ、新聞、ラジオ、雑誌や書籍などなしにすませる人がいないことからも、彼の説が的確であることがわかる。確かに、現代の世の中で、マス・コミ程広く深く我々に密着したものはないといえる。また、同時にその影響力の大なるものは、他に比類するものがないであろう。さらに、今日のマス・コミは、オピニオンリーダーとしての役割も果たしているといえるOそのマスコミが、発展途上国の食糧問題が如何に逼迫した問題であるか、或いはまた如何に悲惨なものであるか、さらには、発展途上国において今も飢えに苦しみ、栄養不良にさいなまれ餓死してゆく人達に、我々は一体何が出来るのか、何をなすべきなのか-といった問題意識を人々の心に芽生えさせることが要請される。例えば、新聞では、大衆性を生かして、飢餓に苦しむ人々の実態を特集で組んでみたり、テレビ、ラジオでは、迅速(同時)性、視(聴)覚に訴えられるという特性を生かしたノンフィクション番組をドキュメンタリー風に製作し、それを生番組で全放送局一斉に放映することを試みてはどうだろう。雑誌でも、平易で理解しやすいように工夫された文面とカラーグラビアから成る「飢餓問題特集号」の発刊などが考えられる。†スつまり、マス・コミに寄せる期待は、「大衆教育」なのである。もはや、発展途上国における食糧不足、飢餓問題は、学者や一部の識者、政治家、あるいはジャーナリストといったような特殊な専門職にある人々の関心事ではない。それは、老若男女を問わず、あらゆる職種、社会的地位、階層を問わず、誰もが問題意識をもち、深く考えねばならない問題である。マス・コミは、そういった草の根的意識革命に対する役割を担い、裏の意味でヤス「大衆教育」という義務を果たしてはじめて、マス・コミの今日的意義が存在するといえTスよう。真の意味での「大衆教育」とは、決して軽桃浮薄なブームに終わらせない実のある内容と説得力を具備した教育、啓発であることを、蛇足とは知りつつここに付記しておこう。マス・コミの尽力によって育まれた飢餓に対する問題意識を貴重な世論として、世界的な世論にまで発展させてゆく態度が我々に必要になってくる。パッシブな態勢であったも29