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概要

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第3回佳作1981年9月14日付朝日新聞の社説は、「国連総会が、"希望の集会"でなく、化幻滅と失望の集会"と言った印象を与えるようになった」と、述べている。何故か?また、本当にそれが的を射た指摘なのであるか、検討を要する問題であると思う。もしそれが本当であるなら、何故そのような指摘を受けなければならなくなったかということについて、国連大学はその実情をつぶさに洗い出し、そしてそこに至るまでの原因を、納得のゆくまで探究しなければならない。それは、此界の軍縮と安全保障という問題に対して、責の解決をなし得るものとしては、現在の段階では、国連を措いてほかに考えられないことをわれわれが知っているからである。しかもその国連に対して、利害やイデオロギーや、一切の思惑を度外視して、最も公正な立場で権威をもって助言し警告を発することのできる機関としては、国連大学のほかには無いが故に、世界の人々が国連大学に期待するところは大きく、その責務は重大であると言わなければならない。このたびの論文募集にあたって、出題者が意図したところもその辺にあるのではないかと思う。さて、その筋の専門家ではない、一介の市井人としての筆者が持っている国連についての知識などというものは、極めて限られた範囲のものでLかなく、日常の報道の中で得た僅かな情報と知識をもとに、素人なりに肌で感じている問題点を列記して研究課題のアプローチとして述べてみたい。1国連における拒否権についての研究さきの第二次世界大戦後既に37年を経過した。その間、限られた地域での小戦争、小紛争は何度か繰り返されて来、現在もなお一部にそれがつづいているoLかし幸にして、これまでのところ、第三次世界大戦-の拡大をかろうじて食い止めて来た。それは、人間の心の中に、過去の戦争のきびしくも悲しかった現実と恐怖の念を忘れずに持っていたこと271