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概要

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第1回最優秀賞義的に考えるのが人間として当然ではないだろうか。従って、今後は、第1に人道的理由による援助、協力でなければならない。そもそも、発展途上国-の援助というものは、第2次大戦後の米ソ対立、東西冷戦を背景に、1950年代に登場したきわめて政治臭の強い現象であり、考え方であったo発展途上国の共産化を防止するというのが資本主義側、とりわけアメリカの最大の援助理由であった。これに対して、共産主義国側の援助の理由は当然ながら、援助を通じて発展途上国を自己の陣営に引きつけるという政治的理由であった。その後、1960年代に入って国際政治関係が東西を通じて多極化するにつれて、発展途上国の援助を必要とする政治的利害もはなはだ複雑かつ流動的となって今日に至っている。特筆すべき事ではないかもしれないが、最近の例として、世界世論を沸かせた'79年のソ連のアフガニスタン侵攻などは、もはや発展途上国ではない国-の「援助」奄:どという名目による自己の政治的理由からの(軍事)援助例である。第2に挙げた経済的理由は、国内資源の乏しい西ヨーロッパ諸国(西独など)や日本が重要援助国として登場して以来、この傾向-の拍車が急激にかけられていった。具体的にいえば、経済的理由とは、戦前の植民地時代と同様に、海外に(1)自国の生産物のための輸出市場(2)自国の資本のための投資市場(剖自国の必要とする食糧、原料、戦略物資の輸入市場を確保する必要である。この様な必要性は、大幅な経済成長を遂げた'60年代にも、1973年の石油危機を契機に志向し始めた安定経済においても益々重要度を増してきた、資源小国、経済大国である日本などは、経済的理由が最優先されがちになる可静陸がある。ただ、これまでのように、自国の為の経済的理由による援助、つまり経済侵略のままであると、東南アジア諸国につけられた「エコノミックアニマル」、「イエローヤンキー」、「醜い日本人」などといううれし(ないニックネームを取り去ることは出来ないであろうO最後に、第3の人道的理由に関しては、福祉国家観念を、国境を超えて適用しようとす25