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概要

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第2次世界大戦前の発展途上国は、出生率、死亡率ともに高かったが、戦後は主にアメリカの財団など先進国の援助と努力によってこの地域に医療施設がつくられ、死亡率が低下した。しかし、出生率が依然として高いままになっている.発展途上国の伝統的な社会においては、今なお子供を労働力として見倣しているところもある。また、国によっては宗教上、倫理上、開発上ないしは国防上の理由から、人口抑制にあまり賛成でないところもあり、間蓮は複雑な状態にある。今日の発展途上国における人口の爆発的増加は貧困と不平等が深刻化する中で、前述の様な外的要因によって起った死亡率の低下の結果生じており、かつての先進国におけるように,出生率の白然的低下を待つという余裕はない。それゆえ効果的な人口政策が不可欠と考えられるが、それと同時に不平等の是正と国民大衆、特に貧困層が集中している農村人口の所得水準の向上が、出生率低下に大きく寄与することは自明である。高い出生率は、教育水準や栄養、健康、生活環境等の貧困の諸側面と相互に開通しあっており、出生率低下を目的とするいかなる計画も、このような諸要素をまず考慮すべきである。人口問題は、人口問題そのものよりもむしろ、その背後にある要因を分析し、その要因を取り除いてゆく手段を講じなければならないといえる。第2章飢餓問題の対応と対策第1節援助への動機付け日本をふくむ先進諸国側からみて、発展途上諸国に対する援助や協力が必要となるのは、一般に(1)政治的理由(2)経済的理由(引人道的理由の3つの理由からであり、これまでこれら3つの理由の軽重の順位は、上に列挙した順序のとおりであるとされてきた。しかし、事が「飢餓問題」である以上、生命の尊厳を第124