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概要

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第1回最優秀賞発展途上国の中ではラテン・アメリカと近東が必要以上のカロリー供給量となっているが所得分配の構造を考慮に入れるとこのような平均値は必ずしも地域の実情を正しく反映しているとはいえないOすなわち、国連ラテン・アメリカ経済委員会の推定によると、ラテン・アメリカ人口の約60%は十分なカロリーを摂っておらず、同様にアジア、アフリカ諸国においても、人口の大部分を占める低所得層は平均値が示すよりもはるかに低水準の栄養状態にあるとしている。そLて、その中でも乳幼児や妊産婦のようなとくにカロリーおよび蛋白質を必要とする人々にとっては、問題は一層深刻である.さらに、最近の保健機構による児童に対する医学調査では、発展途上国の5才以下の幼児の50%は程度の差こそあれ栄養不良であり、知的にも、肉体的にも十分な発達が望めない状態にあることを示している。カロリーや蛋白質の不足は、穀類や豆類を主食にする地域ではその消費増加によって解消しうるが、乳幼児の場合は食糧消費の増加には限度があるため良質の蛋白質含有量の多い食物の摂取が必要である。このように、発展途上国では、農業は最も多くの労働力を吸収している産業部門であり、しかもその大部分は食糧生産に向けられているにもかかわらず、国民の食糧需要を大幅に下回る生産しか達成しないでいる。したがって生産性向上を通じての食糧供給の量と質の改善は、工業化を推進する以前に、直接的に国民の福祉増大を図るためにも緊急に必要とされる。第2節人口増加食糧問題を語る時に、人口増加は決して切り離しては考えられない問題であるO現在、世界の人口は、推定で約40億人とされている。先進国、発展途上国、中央計画経済国の人口の割合は20%、47%、33%となっている。増加率でみてみると、世界全体では、平均年率2.1%、先進国は1%、発展途上国は2.7%、中央計画経済国は1.7%となっており、人口の割合の最も高い発展途上国が増加率も最も高いことになる。それだけに、このままの状態で人口が推移したならば、今世紀末には世界の人口はおよそ70億人になるだろうとみられている。つまり、人口は今世紀末には、現在の2倍近くになるわけである。23