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概要

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約の中で明確に示した点にも、われわれは平和-の進歩の表現を見る。アメリカがウイルソン以来、国際連盟から国際連合-の努力をしたのは衆知の事実であるし、現在国連がニューヨークに置かれていることがその努力の跡を物語っている。このような人類の歴史において、われわれは国連というものを、もう一度見直してみたいと思う。さて、国連憲章の二大原則は、いうまでもなく、武力不行使と民族自決である。この二つは相補うものであり、これによって弱小国家も平和裡に生存することが可能になった。いかなる強大国家も武力で弱小国家を制圧することは許されない。一方少数民族であっても、武力に訴えることなしに、自立することが可能になった。そして世界の総ての国々が自らの意思で進んで国連加入を求めたということ、即ち、進んで上記二原則を認めたということも特筆すべきである。この結果、いまや戦は理論上不可能である。何となれば、国連憲章で認められる戦は自衛の戦のみである。しかし、一方にとって自衛である、ということは、他方が侵略していることに他ならない。そしてここに、全ての国が国連憲章の原則を認めている以上、侵略国は存在しえない。だから、厳格に国連憲章を守るなら、世界に戦は存在しえないはずである。さきに述べたように国連では多くの決議がなされた。例えば「植民地独立付与宣言」などというのがある。これは1960年に反対ゼロで採択されたもので、人民自決の権利を重ねて宣言しているo同様な趣旨で「友好関係宣言」というのもある。更に民族自決権を経済に及ぼしたものとしては「経済権利義務憲章」があって、例えば発展途上国にある先進国の施設を国有化する際、補償の額と支払方法は、国有化国が決定する権利を有すること、紛争が生じた場合には国有化国の国内法によって解決すべきことが規定されている.国内法がこれ程尊重されている、ということは注目してよい。とにかく憲章は決議その他によって補強され、それらを当り前に守る限り、戦争は起こる筈もない状態になっている。しかし殆どの人はそれで安心していないo国際的に法があるとしても、罰則がないではないか,法を守らせるための権力機関がないではないか、国際司法裁判所などというものは、あって無きに等しいではないか、という。あるいは、戦争裁判などといっても、それ24占