ブックタイトルsatoh

ページ
247/1034

このページは satoh の電子ブックに掲載されている247ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

satoh

第3回佳作対象となる「民族」とはナチに操潤されたヨーロッパの民族が考えられていたに過ぎなかった。チャーチルは議会答弁で、決してインドやビルマを含むものではないと述べている。しかしその不合理はやはり明らかであるから、後にビルマもインドも含まざるを得なくなる。人間の解放も平和も、まったく自明の理であるから、-たびそれを知った人間から、これらを後もどりさせることはできない。そこで今日、世界の多くの国々は、戦争が悪であるとの認識を色々な形で表明している。わが国の憲法9条がそれであるし、世界の一部から好戦国と思われているソ連にも1977年憲法に次の定めが記されている。少し長いが2条分を引用する。「ソ連邦は,レーニン的平和政策を確固として実施し、諸国民の安全の強化および広範な国際協力の立場に立つ。ソ連邦の対外政策は、ソ連邦における共産主義建設に有利な国際的諸条件の保障、ソビエト連邦の国家的諸利益の擁護、世界社会主義の立場の強化,民族解放と社会的進歩のための諸国民の闘争の支持、侵略戦争の防止、全般的かつ完全な軍縮の達成および社会体制の異なる諸国家の平和的共存という原則の首尾一貫した実現をめざしている。ソ連邦においては、戦争宣伝は禁止される。ソ連邦と他の諸国家との関係は、主権の平等、力の行使または力による威嚇の相互放棄、国境の不可侵、国家の領土保全、紛争の平和的解決、内政不干渉、人権と基本的自由の尊重、諸民族の同権および自己の運命を自己決定する民族の権利、国家間の協力、一般的に認められた国際法の原則および規範ならびにソ連邦の締結した国際条約より生ずる義務の誠実な履行という諸原則の遵守を基礎としてうち立てられる」長い条文を省略なしに引用したのは、われわれの目から見て好ましい部分も好ましくない部分も含まれているだろうし、それを自由に判断するのがよい、と思うからである。しかし、少くともこれは、「もしソ連が北海道に侵入したら」などというときに浮ぶイメージとは違って、そこに人類の進歩の跡が示されているように思われる。中国が反覇権を条245