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概要

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第3回優秀賞れは、大国間の核軍縮・大規模軍縮の重要性を否定するものではない.勿論こうした問題は最も大きな課題として残っているOだが、それだけに既存の研究者や実務家の業績の蓄積が充分大きく、わざわざ国連大学として新たにとりあげる必要は余りないと思われる。しかし、全く扱わないとすれば、国連大学の軍縮・安全保障問題研究全体が、画竜点晴を欠くことにもなりかねない。国連大学としては、大国の軍縮.安全保障についても、一定の成果を提示してゆくことになるだろう。その際の議論の内容は、既存の研究(の一部)が陥りがちな、抽象論、理想論、非現実性などと訣別した、具体性、実行可能性に富む議論でなければ意味がない。つまり、これまで語られたきたことの蒸し返しではだめだとするべきなのである。そこで、大国の軍縮・安全保障については、国連大学は、実行可能な軍縮プログラムの提示、軍縮実施に際しての具体的・技術的問題についての研究など、従来比較的見過しの多かった種類の主題についてだけ、研究対象としての採用をするべきである。こうした具体的問題は、例えば軍縮の実行を監視するシステム(レーダー等々)の設計・評価など、多くの重大なものを含んでいる。抽象的な議論は、既に大方出尽しており、これ以上屋上崖をなすことは避けるべきである。〔5〕民間運動等の評価と活性化軍縮や反核をスローガンの中心にした民間組織や市民の運動は、近年特に活発になってきた.こうした平和運動は、一般に必ずしも成果を挙げるものではないoLかし、長期的には、草の根的な市民運動は一定の力となるに相違ない。 (国際的な)民間組織が、各国でどのような形で発達してきているのか、軍縮・平和にどう貢献できるのか、その活性化はどうすれば可能か、何が発展の阻害要因となっているか、などの問いかけは、国民国家体制の枠組の下で、非政府機関の活動を過小に考える傾向-の批判としても意味がある。何も政府だけが軍縮を行う訳ではない。また、日本でもよく議論される経済的安全保障論、より広くには非軍事的安全保障論の233