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概要

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〔3〕大国・超大国・多国籍企業などの関与についての研究軍拡や戦争といった現象がある場合、それに深い利害を持ち、その促進や抑制の決定に事実上の発言権を持っているのは、何も当事国内部の存在に限られている訳ではない。軍事同盟のパートナー、主要貿易相手国、近隣諸国をはじめ、大国・超大国まで、多くの非当事国が、本気で軍拡や戦争を止めようと外交的・経済的などの圧力をかけるか否かは事態を大きく左右する。さらに民間企業などの動向が大きく物を言うこともある。特に国際武器市場の複雑なカラクリは、軍拡と直接的に関係するだけに、重大な研究対象とされねばならない。特に、武器輸出国の大半が「北」や「東」の大国・超大国であり、自国を戦争に巻き込むことなく、戦争から利益を上げている、という事実は、充分解明され、指摘される必要がある。また軍事援助・軍事顧問団・外人部隊などの問題も、同じ視点から論じられるであろう。また逆に、地域的・部分的な軍縮や停戦などにおける大国などの機能も、充分解明されることが望まれる。核戦略網が地球全体を覆っている現状では、大国・超大国は地球上のあらゆる紛争の火種に関心を持っている.こうした国々は、ある時は軍拡を促し、ある時は歯止めをかける、といった危い綱渡りをしながら、第三世界を中心とした中小国の軍事政策に大きな影響力を与えている。大国・超大国や、平和を是とする多国籍企業などが、中小国に与える影響力の実態と機構を解明する研究は、この力を積極的に平和に向けて使うことを可能にするであろう。どんなに小規模で、局地的な軍縮も、当事国政府以外の利害関係者が存在し、嫌々な方向から圧力がかかるものである。そのメカニズムを解き、平和的方向-進む力を活発にさせて、現実に小規模軍縮を実績として積み上げることは、本格的な軍縮を現実のものとしてゆくための第一歩であろう。〔4〕大国-の具体的提言に至る研究以上の三項目では、主として第三世界の軍事問題を念頭に置いて論を進めた。しかしこ232