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概要

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リカと、それに参戦した韓国・オーストラリアなどと、フォークランドを「防衛」したイギリス、といった西側先進国と、黒龍江で衝突し片やベトナムを叩き、片やアフガニスタンに「進駐」した中国とソ連を例外として、全て第三世界に属しているのである。さらに戦場となっているのは常に第三世界なのである。これは何を意味しているのであろう.どうして「北」や「東」の諸国では、公民権運動や安保闘争程度の「暴動」(せいぜい光州暴動やポーランド軍政どまり)はあっても、決定的な「戦争」は勃発しないのであろう。「南」でばかり戦争があり、その都度直接間接に「北」や「東」が儲け、「南」は疲弊し、南北格差は一向に解消の気配もない。そこに,南北問題において重要な構造的問顕点の存在があるようではあるが、果してそれは何なのであろう。現代の国際社会の枠組を形成しているのが近代ヨーロッパ生れの国民国家体制であり、ソグイエト形骸化した「連邦」theCommonwealthoftheNationsと、「労農社会主義共和国連邦」U.S.S.R.を例外として、全ての国家は、土地なり民族なりを表わす固有名辞を担っている。国民国家は本来、経済・政治・文化の各々の面での統合の上に、一つの政府が国民の総意を代表するものとして成立する建前になっており、実際、多くの国では国民国家の成熟によって民主的な国民主権が確立された。国家-政府は最高の権力であり、国際社会は最高権力同士の対等のつき合いで、少しでも他国のことに口出しをすれば「内政干捗」というルール違反になるOこの国民国家体制は、近代ヨーロッパに生れ、19世紀には南北アメリカ、極東で定着し、20世紀後半に入って世界中に広がった。今日の国際社会は、'60年代のAA諸国の独立でほぼ完成されたのである。ところがこの体制は現在二つの全く違った圧力によって徐々にその基盤が弱まってきた。その一つは、主とLて先進国で生じている現象であり、もう一つは第三世界が直面している問題である。「北」を中心とする国々では、近年に至り運輸・通信面での発達が、経済や文化の単位を国家を超えたものにしてしまう「国際化」現象が、政治上の国家単位の統合を時代遅れに22占