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概要

satoh

これらは実行可能なことの一部に過ぎない。国連大学は決して総会や安保理そのものではないが、総会・安保理から市民運動まで、軍縮と安全保障を求める全ての人々に積極的に情報と助言を与えられる立場にあるのである。[3〕長期的な視野軍縮や安全保障は、既に多くの機関の様々な研究者が、各々の立場から研究を進めてきた。しかし、多くの分野では、研究は未だ不充分であり、またその時その時の国際政治の流れによって研究主題に流行があるのが実情である。「核軍縮」が話題となっている時期に「核軍縮」の研究が展開するのは好ましいことである。しかし、もしその結果「通常兵器の小規模軍縮」などの研究が忘れられるようなことがあれば、これは問題である.軍縮にせよ安全保障にせよ、究極的な目標は平和の建設と維持であろう。しかし、平和は「何年もてばいい」といったものではない。「恒久平和」でない「平和」は真の平和とは言い難い。その確立のためには、長期に及び継続する息の長い地道な研究が、充分に保障される必要がある。ことに、国連大学は新たにこの分野に飛び込むのであるため、既存の研究者の間では余り活発ではないが長期的には重要、と思われるような研究にも力を注ぐべきであろう。〔4〕従来からの課題との連携軍縮・安全保障の問題、あるいは逆に軍拡・戦争の問題は、単純に完結するものではなく、その背後には、人口・食糧、資源・エネルギー、開発、環境といった従来の国連大学の研究課題を含む多様な問題が存在するOまた見方を変えれば、これら諸問題から生じる困難や社会矛盾が、軍拡や戦争といった形で爆発するとも言うことができよう。軍事費の負担と生活水準・福祉低下の関係がどうなっているのか。資源・エネルギーさらには食糧をめぐる紛争はなぜ、どのように生じるのか。軍拡・戦争は、開発問題や環境保全にどう影響するのか。どのような国内問題があるとき、軍拡が進むのか。このように224