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概要

satoh

〔1〕問題点の所在を明らかにする問題提起、及び問題点の類型化・定式化を目指す基礎的研究を行う。[2〕軍縮の実施や、非軍事的安全保障の促進などが可能な事例には、どのように小規模なものであっても、積極的に参画し、実践に伴うノウ-ウを蓄積する。[3〕一時的な流れに捉われず、むしろ学界の中で見落されがちな問題について長期的な視野に立つ研究を行う。〔4〕従来からの研究課題と密接に関連づけられる形で研究を行い、必要に応じては、軍縮・安全保障問題研究の立場から、従来の課題分野-も発言する。〔1〕問題提起と類型化・定式化軍縮や安全保障など軍事問題や国際政治とからんだ現象は、その生々しさから、なかなか客観的な分析が行われない。対崎している二国間で軍縮が行われず、軍拡競争が始まっている場合、多くの人々が両国を批判し「軍縮をせよ」と叫ぶだろうが、「何故」軍拡が行われるのかを深く追求する人は少ない。多くの人々は、例えば「超大国の代理戦争」や「民族解放闘争」といった表面的な説明で納得させられ、無秩序な軍拡や破滅的な戦争を「仕方のない」ことだと考えている。しかし、表面的な大義名分だけが軍拡や戦争を進める訳ではない。むしろ、人々が到底納得できないような目的のために軍拡や戦争が起き、それを正当化し「仕方がない」と納得させるために大義名分が持ち出されるのである。軍縮とより催かな安全保障-と向かうためには、「何故」軍拡・戦争が生じ、軍縮・平和が困難かについて、軍事的・政治的メカニズムばかりではなく、社会的・経済的・文化的背景までをも考慮した問題提起が必要なのである。経済援助を受けている国が、国民生活を省みずに「パターより大砲」をとるのはどうしてか、戦わない軍隊にも莫大な金が費されるのはなぜか、といった大きな疑問に対し、根本的な病巣を指摘し、軍拡・戦争の一般的メカニズムの解明に進んで行かないのであれば、軍縮論・安全保障論は、抽象的な建前論を超えて実効性のある議請-と成長すること222