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概要

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Ⅰ国連大学のとるべき四つの研究方針ユニバーシテイーユニ「宇宙・世界・普遍」を意味する…universe"からできた「大学」は、その言葉から「普メ-サノレユニバーサリテイー遍的」な知的営為の場であり、国家の違いを超えた「世界性」のみならず、多くの障壁を越えて人々の集まる自由の広場である。国連大学は、キャンパスも学生も欠いた、常識的に見れば随分変った「大学」であるが、地球全体をフィールドとしたその「普遍的」「世界的」な活動の有様は、正に「大学」の理想像の一端を具現化したものである。しかし、国連大学の存在をユニークなものとし、既存の研究機関とは違った意味を与えているのは、単なる国際性や学際性だけではない。国連大学が、従来の研究の弱い部分や研究の欠けていた部分で畠重な貢献をすることができたのは、 1)問題解決型の課題設定、 2)積極的な実践、 3)情報ネットワークの形成、の三点にある.1)人口・食糧、エネルギー、環境などの人類全体にとっての緊急課題を扱ってきた国連大学は、研究の組織を、応用科学的なものを中心に、問題解決を志向する形で行ってきたo特定の問題を克服するためには、学際的・国際的協力が重要となるが、国際大学はその良きオルガナイザーであった。また、多くの研究課題は、具体的な解決策なり対応策の提出と実践が可能な程度に充分小さなものであり、議論が抽象的・観念的な段階に留まりがちな大問題や、非応用的研究は、中心にはならなかった.2)国連大学の活動の中で、最も高く評価されねばならないのが、特に第三世界における、研究成果の実践である。食糧確保や環境保全-の試みの全てが充分な効果をあげた訳ではないが、応用研究と対策の実践を直結させる国連大学のやり方は、第三世界援助の一つの方法としても、注目すべきものがある。3)開発に必要な情報は、存在しないのではなく、伝えられないだけだ、という認識は「新国際情報秩序」の議論の上に国連大学が重視しているものである.国連大学は、研究を進め、問題を解決するために必要な情報が、速やかに研究者の手に届くように、国際的な学術情報ネットワークの形成と、研究成果の出版活動とに努力を重ねているO現状では220