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概要

satoh

第3回優秀賞「世界の軍縮と安全保障に関して国連大学はどのような研究を行うべきか」山田晴通くはしがき)大学で人文地理学を専攻する私にとって、軍縮や安全保障の問題は、主な学問的関心の対象ではない。しかし、地球市民の一人として現実の世界の混沌の中にいる私にとって、それは自らの命と、愛する存在とに関わる、極めて重大な関心の対象である.国際政治学や外交論、あるいは軍事科学や地政学などの成果や現状について、私は多くを知らない門外漢であり、素人である。従って、国連大学を含め、研究者や実務家の方々に、「これこれこういう点について研究せよ」と提言することは、蛍に「盲、蛇に怖じず」的な危うさがあるばかりでなく、一種不遜で無責任な行為であるとも言えよう。にもかかわらず私がこうして発言を試みるのは、軍縮や安全保障そして平和の問題が、玄人も素人もない万人の問題だからであるO軍事と平和に関する研究体制の全体が閉鎖的であるなどとは思われない。しかし、こうLた研究が悪しきプロフェッショナリズムに陥るのを妨げるのは、素人の素朴な発言であろう。そして、その発言に耳を傾ける研究者や実務家は、期待に沿った努力を尽すだろうと私は信じている。本稿は抽象的議論にやや偏り、具体的な例が必ずしも充分ではないが、これは筆者が具体的な国際情勢や既存の研究に通じていないためであり如何ともし難い。読者が、常に具体例を想起されながら読み進まれることを期待したい。創設以来の国連大学の諸活動、とりわけ開発と環境をめぐる問題に関する活動に敬意を表しつつ、以下、国連大学の新たな課題について私見を論じる。219