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概要

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第3回最優秀賞とくに、女性の就業面においては、女性差別の問題が大きな障害となっている。差別は、人権の無視または軽視であり、女性の社会参画の進行の過程において見逃すことのできない重要なチェック・ポイントである。女性の社会参画は、1975年の「国連婦人年」の十年間の行動目標が、「メキシコ宣言」で定められてから、各国で具体的な行動計画が実施されている。また1980年には、女性の地位向上と女性差別の廃止を目指した「世界婦人会議」がコペン--ゲンで開催され、日本も「婦人に対するあらゆる形態の差別撤廃に関する条約」に署名した。この婦人差別撤廃条約の前文では、「すべての分野において女性が男子と同等の条件で最大限に参加すること」がうたわれている。この世界会議では、女性に対する差別を法律から慣習に至るまであらゆる面で撤廃することがうたわれたが、それには女性を差別するあらゆる根源の究明が必要である。何故、どのように、どこで女性差別が行われてきたのか、また行われているのかその原因を発見・分析することが必要である。女性が遭遇している多くの問題は、人権、自由、独立という人間にとってもっとも基本的な問題と関連がある問題であり、教育、保育、社会保障、売春防止、婦人保護、母子家庭、就業差別、結婚退職制、差別的解雇、国籍法等々、実に多くの問題が解決を迫られている。これらの問題を解決するには、まず第一に、人権思想の普及が必要である。それは、女性差別が、人権思想の欠如から生まれているからである。とくに開発途上国においては、経済、社会開発の進行の過程において、女性の社会参画と地倖向上が、経済的社会的発展に伴わずに、放置される傾向が強い。これでは何のための開発かわからなくなってしまう。各国の国情にもよるが、国連大学は、これらの途上国における女性の社会参画に対する阻害要因を把握して開発プロジェクトの立案の段階で事前にこのような問題が起きないよう開発担当機関に対して助言、勧告を行うべきである。女性の社会参画の増大が、その結果としてどのような社会的改革をもたらすかということについて社会予測を含めた研究が行われるべきである。女性が社会に進出する場合に211