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概要

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惨な状態の改善にあるのであって、一部の為政者の権力と富裕さの増大のためにあるのではない。国際協力が、真に一般住民の生活水準の向上に寄与しているのかどうかをチェックする必要があり、このような国際協力の逆効果面の研究は重要である。受益国における国際協力プロジェクトの一般住民-のインパクトについての研究が行われるべきである。3国際協力の主な目的の一つは、開発途上国の国づくりのための人づくりである。途上国にとって人的資源の開発は、物的資源の開発以上に急務の課題である。人的資源の開発は、通常、教育、研修、訓練、指導等の方法で、各種の分野の「国際協力専門家」によって行われる。開発途上国が先進国に要請する国際協力プロジェクトは、国連レベルにおいても、政府レベルにおいても、民間レベルにおいても、今後ますます増大の一途をたどるであろう。にもかかわらず、かれらの要請に応えるに十分なだけの国際協力専門家は用意されていないのが現状である。しかも、国際協力専門家の養成・確保のための対策も制度も未だに整備されていない。またこれらの専門家の育成機関も設置されていない。したがって、専門家養成のプログラムもなければ、養成の方法も全く未開発なのである。国際協力専門家という新しい職業は、歴史的な意義をもつものである。何故なら、この国際協力専門家こそ、兵隊にとって代るべき新しい平和部隊だからである。国連大学は、軍拡にとって代るべき国際協力の仕事に携わる国際協力専門家の育成のための研修プログラム、研修システム、研修技法について研究を開始すべきである。4軍拡は、先進国が最先端技術を駆使して進められている。先進国は、現在最高度の技術をさらに開発してより高度な技術を生み出すことに躍起となっている。そしてその技術開発の最たるものは核兵器である。いま仮に、現代世界において「最高レベル」のものを10とL、「最低レベル」のものを1とすれば、先進国のやり方は、核兵器の開発のように、10を11、12、13と上昇させていくことであり、決して1を無くし、次いで2を無くしていくというやり方ではない。つま208