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概要

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第3回最優秀賞することができる。平和と人権は、人種や民族とかかわりなく、すべての地球市民にとって欠くことのできない大切なものであるという認識が、国際協力活動によって深められる。開発途上国にとってもっとも必要なことは自助努力である。しかし、かれらが置かれている条件と環境のもとでは、いくら努力Lても先進国の経済と技術の進歩のペースには嘩いついていくことは不可能であろう。国際協力は、先進国と開発途上国との間の格差と不均衡を是正するために行われなければ意味がない。そうすることによって、世界の安全はより保障されることになる。現在、国連レベル、政府レベル、民間レベルで行われている国際協力は、経済(資金)協力と技術協力とに大別される。国連大学は、これまでに行われてきた先進国による開発途上因-の開発のための国際協力の再評価と再検討に加えて、新しい勇に有効な国際協力の戦略について、次のような実践的研究を行うべきである。1これまでの国際協力は、経済と技術を最優先させた協力方式であったが、文化的側面についてはほとんど触れられていないO国際協力の推進にとって、異民族間の相互理解、とくに異文化理解の促進は極めて重要である。国際協力活動の進行の過程で生じる文化摩擦の事例研究は、今後の国際協力事業の改善に大いに役立つはずであるoまた経済協力や技術協力と併行して行われる国際文化交流についても研究がなされるべきである。国際協力における文化的側面の研究があってはじめて、国際協力の研究は充実されるであろう。9開発途上国の経済・社会開発の進行の過程において一般住民の貧困状態が改善されず、かれらの基本的人権と自由が遵守されないまま、却って、開発によって貧困層と富裕層との格差が拡大され、社会的、経済的二重構造、不公正、不平等を増大させているケースがある。このようなケースは、開発の逆効果を示すものであり、その国にとって、国内的にも国際的にも決して得策ではない。開発のための国際協力は、その国の貧困、文盲、伝染病、飢餓、栄養失調、失業等の悲207