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概要

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第3回最優秀賞は、戦前は、軍事的侵略により、アジア諸国やオセアニア諸国を支配することにより、国家的利益を追求したが、戦後は、開発途上国からの原材料の輸入一国内での加工・生産-製品の輸出という産業構造と経済循環によって著しい経済的発展を遂げた。日本経済の急速な発展の裏には、開発途上諸国の低廉な原材料と低賃金があったことは否めない。日本経済発展の奇蹟は、これら原材料の製品化により生じた付加価値による利潤に他ならない。日本が経済交流したすべての開発途上国は、未だに貧困という悪循環の中にあるにもかかわらず、日本だけは,経済的繁栄を達成し、世界有数の経済大国となった。このような国際経済関係は、ますます経済先進国と開発途上国との間の経済的、社会的格差を拡大化し、却って世界経済の安定を脅している。このような趨勢は、先進地域における国際化、情報化、技術革新が加速化されるにつれて、-そう強化されつつある。経済先進国が、自国の経済成長を維持し、経済的繁栄を確保しようとすればする性ど、資源の獲得と国際市場の開発はそれだけ-そう必要となってくる。その場合に、経済先進国が、軍拡をはかり、軍事力や国際政治力を背景にして開発途上国の資源を獲得しようとしたり、その市場を独占しようとしたりするならば、それは世界の安全を脅かすものである。また、このような先進国の経済的支配に対抗して、資源保有国が、「石油ショック」にみられたような報復措置に出ると、これも同様に世界の安全を脅かすことになる。そしてこの傾向も-そう強化されつつある.国家が自国の国家的利益を追求するために、他国を手段化しようとする考え方ややり方は、「経済国家主義」と呼ばれている.第二次世界大戦中における日本の対外政策は、経済国家主義にもとづくものであった。経済国家主義は、関税障壁、輸入割当、配給制度、統制経済、アウタルキー等、自由経済の原則と国際経済の相互依存性を否定するものである。国連大学は、国連の平和研究機関として、先進国の開発途上国における国家的利益追求203